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メインページ > ARIA > ネオ・ヴェネツィア

天野こずえの漫画ARIA及びその派生作品に登場する、実際のイタリア・ヴェネツィアをモチーフとする架空の都市。この作品の舞台となる。


注意以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。


概要

AQUA(旧称:火星)のネオ・アドリア海上に、21世紀前半の大規模なアクア・アルタによって水没したマンホーム(地球)のイタリア・ヴェネツィアを模す、もしくはカフェ・フロリアンなどのように解体復元や移築するなどして建造された都市で、マルコポーロ国際宇宙港浮き島など現在のヴェネツィアとは用途が異なったり存在しなかったりするものもあるもののほとんど瓜二つと言ってよく、テクノロジーの進歩などによる合理化が図られた世界にあって、昔ながらの生活が息づき独特の趣を持つ。

月刊ウンディーネなどの副読本によれば、ネオ・ヴェネツィア本島及び周辺の地形は実際のヴェネツィアと同一とされているが、ARIAカンパニー社屋周辺や希望の丘など、実際とは異なる場所もある。

実際のヴェネツィア(本島、サン・ジョルジョ・マッジョーレ島及びジュデッカ島)は行政上6つの区(sestiere)に分けられるが、物語の主な舞台はサン・マルコ広場を中心とするサン・マルコ区と、その東隣のカステッロ区である。

作中に登場する場所・地域

<googlemap version="0.9" lat="45.436828" lon="12.339106" zoom="14" width="650" height="450" controls="small" type="map"> 45.434129, 12.338609, #サン・マルコ広場 (Piazza San Marco) サン・マルコ広場 (Piazza San Marco) 45.433861, 12.340243, #マルコポーロ国際宇宙港/ドゥカーレ宮殿 (Palazzo Ducale) マルコポーロ国際宇宙港/ドゥカーレ宮殿 (Palazzo Ducale) 45.434434, 12.339878, #サン・マルコ寺院 (Basilica di San Marco) サン・マルコ寺院 (Basilica di San Marco) 45.433967, 12.340865, #ため息橋 (Ponte dei Sospiri) ため息橋 (Ponte dei Sospiri) 45.437979, 12.335941, #リアルト橋 (Ponte di Rialto) リアルト橋 (Ponte di Rialto) 45.446403, 12.346916, #サン・ミケーレ島 (Cimitero di San Michele) サン・ミケーレ島 (Cimitero di San Michele) 45.433831, 12.341659, #姫屋/ホテル・ダニエリ本館 (Hotel Danieli / Palazzo Dandolo) 姫屋/ホテル・ダニエリ本館 (Hotel Danieli / Palazzo Dandolo) </googlemap>

サン・マルコ広場 (Piazza San Marco)

作中でも実際のヴェネツィアでも有名な広場で、世界一美しい広場とも称される。9世紀にサン・マルコ寺院前の小さなスペースとして始まり、1177年に現在のL字型となった。

後述する各建築物や、作中ではあまり触れられていないが数多くの鳩[1]などと共に非常に有名で、旅行者や写真家が常時多数訪れ、作中でもたびたび登場する舞台となっている。平均して標高の低いヴェネツィアの中でも特に海抜が低く、アクア・アルタ発生時に最も沈みやすい場所でもある。

サン・マルコ小広場 (Piazzetta San Marco)

Venezia San-Marco

サン・マルコ寺院からサン・マルコ小広場を望む。向かって左手がドゥカーレ宮殿、右手がマルチャーナ図書館

マルチャーナ図書館(Libreria Marciana)とドゥカーレ宮殿の間の区画は、実際のヴェネツィアでは特に「サン・マルコ小広場(La Piazzetta)」と呼ばれる。作中にはこの名称は登場していないが、解説の利便性などに鑑み、以降「サン・マルコ小広場」や「小広場」も使用する。

小広場にある2本の柱にはそれぞれ頂上に聖マルコの獅子の彫像と聖テオドーロの彫像が配されている。ここはヴェネツィア共和国時代には処刑場とされ、その逸話を藍華・S・グランチェスタが語る場面がARIA 第八巻 Navigation 38「墓地の島」の導入部となる。

前述にあるように作中でよく登場する「サン・マルコ広場」とその風景であるが、その多くはこのサン・マルコ小広場に相当する場所である。

サン・マルコ寺院 (Basilica di San Marco)

ARIA 第八巻 Navigation 39「秘密の場所」での舞台となった場所。同話 P.136-P.137 の見開きは、この寺院の南側テラスから小広場を見たものであると思われ、右上の写真と構図が一致する。

ビザンティン建築ウィキペディアへのリンクの代表的な建築物とされる。828年に現在のドゥカーレ宮殿の位置に創建され、その後何度も移転・再建を繰り返し、1090年代に現在の建物の基礎となる形ができた。創建以来ヴェネツィア共和国総督の礼拝堂であったが、共和国滅亡後の1807年、それまでのサン・ピエトロ・ディ・カステッロ聖堂からヴェネツィア総大司教座が移転した。金装飾の施されたビザンティンモザイクによる豊かなデザインは、ヴェネツィアの富と力の象徴とされ、11世紀から Chiesa d'Oro(Church of Gold / 黄金の教会)というニックネームで知られている。

出雲暁が「馬のケツ」と言っていたブロンズ像(La quadriga)は、聖マルコの馬 (Triumphal Quadriga) と呼ばれる四頭立て馬車を描いた像で、13世紀に第4回十字軍ウィキペディアへのリンクにおける戦利品としてコンスタンティノポリス(現在のイスタンブール)から持ち込まれた。その後1797年にナポレオンによってカルーゼル凱旋門デザインのため一度パリへ運ばれ、ナポレオン没落直後の1815年に戻されている。オリジナルの像は大気汚染による劣化が進んだため、1980年代前半に寺院内部へと移されており、テラスにあるのはレプリカとなっている。

マルコポーロ国際宇宙港/ドゥカーレ宮殿 (Palazzo Ducale)

Ducale from-sea

カナル・グランデから大鐘楼(Campanile di San Marco・中央左よりの塔)とドゥカーレ宮殿(中央)を望む

Basilica

サン・マルコ寺院

Bridge of Sighs

ため息橋(中央)。左手がドゥカーレ宮殿、右手が新牢獄、真ん中を流れるのがパラッツォ運河。

View from the Bridge of Sighs

ため息橋からカナル・グランデを望む。真ん中に見えるのが、灯里と暁が待ちぼうけをくらっていたパッリア橋 (Ponte della Paglia)。

Caffè Florian entrance

カフェ・フロリアン入り口。

Caffè Florian inside

カフェ・フロリアン内部。

Ponte Rialto

カナル・グランデからリアルト橋を望む。

AQUA 第一巻 Navigation 01 「水の惑星」 でマンホームからやってきた水無灯里が降り立った場所であり、その後もさまざまな場面で登場する。150年前のAQUAテラフォーミング開始に際して入植してきた人々を管理する移民総督の宮殿として建てられた[2]もので、現在はネオ・ヴェネツィアの空の玄関口となっている。

実際のヴェネツィアでは、ドゥカーレ宮殿 (Palazzo Ducale) と呼ばれる。9世紀に建造され1309年から1424年にかけて現在の形となったゴシック様式宮殿であり、低層部のアーチ作りが特徴。ヴェネツィア共和国総督官邸・政庁として使われ、現在では博物館(Museo Civico di Palazzo Ducale)として保存されている。後述するため息橋は、この建物の東側、サン・マルコ小広場から見ると反対側から牢獄へとつながっている。

ため息橋 (Ponte dei Sospiri)

ARIA 第一巻 Navigation 03「ため息橋」 にてクローズアップされた名所。白い石灰岩で囲まれた橋に石でできた格子状窓がはめられており、パラッツォ運河(Rio di Palazzo・写真中央部を流れる運河)上を新牢獄(Prigioni Nove・写真右)からドゥカーレ宮殿尋問室(写真左)へとつなぐ。1600年から1603年にかけて作られた。

投獄される囚人にとって、ヴェネツィアの景色を見るのはこの橋からが最後であり、その美しい景色にみなため息をついたであろう、とジョージ・バイロンがため息橋と名付けたものである。

カフェ・フロリアン (Caffè Florian)

ARIA 第五巻 Navigation 25「影追い」の舞台。作中、現実ともにサン・マルコ広場の一角に店を構える。ゴンドラ協会の会合はこの店で開かれる。

原作では場所の詳細は明示されていないが、月刊ウンディーネ第1巻のコラム「この人に聞きたい」では、現実と同じくプロクラティエ・ヌオーヴェ(Procuratie Nuove、新行政館)1階にあるとしている。同じ月刊ウンディーネの第5巻では、このプロクラティエ・ヌオーヴェ内の大ホールで、姫屋が支店開業記念パーティを開いたと報じている。

ARIAカンパニー

詳細はARIAカンパニー#建物を参照。

姫屋/ホテル・ダニエリ本館 (Hotel Danieli / Palazzo Dandolo)

詳細は姫屋#建物を参照。

オレンジぷらねっと

希望の丘

リアルト橋 (Ponte di Rialto)

カナル・グランデにかかる3つの橋[3]のうちの一つで、白い巨象とも呼ばれる。

サン・ポーロ区のソトポルテゴ・デル・リアルト(Sotoportego del Rialto)を中心とするリアルト地区はヴェネツィア本島で最も海抜が高い事から、古くから人が住み着いていた。9世紀初頭、それまでリド島(Lido di Venezia)のマラモッコ地区にあったヴェネツィア共和国の首都機能が移転したのを機にリアルトは政治・経済の中心として発展を遂げた。1181年に、ニッコロ・バラッティエーリ(Nicolò Barattieri)によって最初の橋が浮橋としてカナル・グランデに架かり、1255年に通行量上昇に伴い木製の橋へと架け替えられた。崩落や暴動によって一部が燃えるなどを経て、1591年にアントニオ・ダ・ポンテ (Antonio da Ponte) によってデザインされた現在の石造りの橋となった。

原作では第六巻 Navigation 27「ヴェネツィアンガラス」に登場する。ガラス工房からマルコポーロ国際宇宙港に向かう途中で、灯里の漕ぐゴンドラはリアルト橋をアンダークロスする。また月刊ウンディーネ第6巻には、アリシア・フローレンスの引退セレモニーの際、アリシアのゴンドラがこの橋をくぐる瞬間を狙って橋上から花束を投げ渡した者がいたとの描写がある。

大運河 (Canal Grande)

ヴァポレット (Vaporetto)

トラゲット(Traghetto)

今日のイタリア語では「トラゲット」とは、日本語・英語で言う「フェリー(Ferry)」を指す一般名詞でとなっているが、元来は「渡し船」という意味である。

カナル・グランデには3つの橋[3]が架かっているが、両岸の往来をさばくには不十分な数といえる。それを補完するのがヴェネツィアにおけるトラゲットである。カナル・グランデには少なくとも7ヶ所[4]の渡し場があり、市民の重要な足となっている。

ARIA 第十巻 Navigation 48は、そのタイトルが示すようにトラゲットに焦点を当てたエピソードである。

サン・ミケーレ島 (Cimitero di San Michele)

ネオ・ヴェネツィア北部に浮かぶ小島。島全体が墓地となっている。

ARIA第八巻 Navigation 38「墓地の島」では、灯里はサン・マルコ小広場で出会った黒衣の婦人の依頼で向かったこの島にて、奇妙な出来事に遭遇する。

実際のヴェネツィアでは、ヴェネツィア本島の北東、ムラーノ島(Murano)との間に位置する。島内にはサン・ミケーレ・イニーゾラ教会 (Chiesa di San Michele in isola) とサン・クリストフォーロ教会 (Chiesa di San Cristoforo)という2つの教会があり、墓地は両教会を中心にして広がっている。サン・クリストフォーロ教会周辺はもともとサン・クリストーフォロ・デッラ・パーチェ島(San Cristoforo della Pace)という独立した島であったが、1837年の墓地拡張にあたり、衛生上の理由から間を隔てる運河が埋め立てられ、サン・ミケーレ島と一体となった。

当地に埋葬されている著名人としては、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の創設者セルゲイ・ディアギレフ、20世紀を代表する作曲家・ピアニストの一人イーゴリ・ストラヴィンスキーなどが挙げられる。

ネオ・ブラーノ島 (Burano)

パリーナ・ダーマ・ブリコラ・彩色パリーナ

作中に登場するイベント

アクア・アルタ (Acqua Alta)

詳細はアクア・アルタを参照。

夜光鈴

ヴォガ・ロンガ (Vogare Longa)

カーニヴァル (Carnevale)

ボッコロ

レドンテーレ

ゴンドラの火送り

エピフォニア

海との結婚

脚注

  1. 2008年4月30日より、フン被害などを理由として条例により餌やり禁止。今後は数が減っていくかも。
    ベネチアがハトの餌やりを禁止、違反者には罰金 - ロイター
  2. ARIA 第一巻 Navigation 03「ため息橋」より。
  3. 3.0 3.1 リベルタ橋(Ponte della Liberta)は除く。なおARIA終了後の2008年9月にサンタ・ルチア駅(Stazione di Venezia Santa Lucia)とローマ広場(Piazzale Roma)を結ぶ憲法橋(Ponte della Costituzione)が開通したので、現在は4つである。
  4. Wikipediaイタリア語版記事「Canal Grande」による。

外部リンク

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